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コラム

店長青木のイタリア訪問記(クレモナ・モンドムジカ)【大阪梅田店】

大阪梅田店 店長の青木が2023年9月20日~25日の間、イタリアのクレモナ出張へ行ってまいりました。
弦楽器の個人製作家の工房を訪問しつつ、22日~24日に開催された楽器展示会「モンドムジカ」へも足を運び、実際に楽器を見て吟味しながら買い付けを行うべく市内をめぐりました。
私(青木)自身、クレモナへ行ったのは初めてでした。現地で過ごしたのは3日間と非常に短い期間でしたが「バイオリン製作の聖地」とも言われるリアルなクレモナを肌で感じることが出来た貴重な時間となりました。

歴史を感じる街、クレモナ ──

クレモナはミラノから電車で約1時間くらいの距離にあり、著名な弦楽器製作家アントニオ・ストラディヴァリが活躍した街として知られています。クレモナの街は石畳や永い歴史を感じるレンガ作りの建物で形成されており、どこを切り取っても絵になる大変素晴らしい街でした。

出張初日は移動日です。深夜、無事に市内のホテルに到着し、すぐに翌日に備え休みます。(と言いつつ、こっそりとホテルを抜け出し散策していたことは内緒です……気分が高まってしまいじっとしていられず、毎日抜け出しては散策しておりました。)

あっちにもこっちにも、知っている製作家の工房が ──

2日目(買付初日)は市内の工房をめぐります。
新作イタリアンや製作家が所有するオールド楽器をたくさん拝見させていただきました。
また製作家が楽器製作用にストックしている複数の木材を現場で吟味し、新規オーダーも行ってきました。来年製作活動20周年を迎えるAlessandro Menta氏の工房では氏からの提案で20thアニバーサリーモデル用の材選びと、製作するモデルについて打ち合わせを行いました。
Menta氏の工房で共に働かれている京都出身の製作家、小寺秀明氏にも新規オーダーを依頼。選んだ材に「KUROSAWA」のサインを入れてもらいました。小寺氏は2021年、2022年と2年連続でイタリアの製作コンクールで受賞歴を持つ若手実力派です。(日本に一時帰国の際はぜひ大阪梅田店に遊びにいらしてください!)

これまで国内で取り扱ってきた製作家さんの生の仕事場を訪問し、直接コミュニケーションを取りながら楽器の買い付けを行うことは大変貴重な機会です。初クレモナの私には楽器ファンとしての楽しさ反面、自分の選んだ楽器が店頭に並ぶ……というプレッシャーもあり、非常に緊張感がありました。


市内には弦楽器工房が点在しており、ちょっと歩くと「OOさんの工房だ!」ということが多々ありました。工房の数もそうですが、ホテルやレストラン・お土産ショップに至るまでバイオリンや関連したモチーフを飾っている様子は、弦楽器に携わる人間であれば誰しもがテンションが上がる風景かと思います。
次世代の製作家を育成する製作学校や、ストラディヴァリやアマティをはじめとする過去の名工たちの作品を閲覧できるバイオリン博物館もあり、弦楽器と非常に密接な関係であることを感じることが出来ました。


そんなクレモナの街の中心にある広場には大変美しい大聖堂があり、その横には「トラッツォ」と呼ばれる塔がそびえ立っています。トラッツォは実際に登ることが出来るようですが、今回は時間の都合で断念……後で調べてみると500段超の階段が待ち受けているそうです。トラッツォは残念でしたが、大聖堂の中には入ることが出来ました。言葉が出ないくらい美しい内装・彫刻・フレスコの数々は見ていて心が洗われる思いでした。

夜はフランスのディーラーさんが滞在しているホテルに向かい、主にフランス製のオールド・モダン楽器、弓の選定を行いました。ここでは大阪梅田店でも人気のあるミルクール製の作品など多数の楽器を買い付けました。

滞在期間中に印象に残ったのが、マーケット(朝市)です。定期的に開催されているようで、クレモナに住む人々の日常を垣間見ることができ、とても興味深く感じました。チーズがとてもおいしそうでした……。
もうひとつ印象深かったのが、夜の街です。夜になると、市内に数多くあるテラス席のあちらこちらで、若者を中心に飲み会のようなパーティーを楽しんでいる光景が見られます。店内も非常ににぎわっていて、ちょっとしたお祭りのような人の集まり方です。クラブミュージックのようなものがなかなかの音量で流れていて、宿泊先のホテルの前も深夜まで盛り上がりが続いていました。初クレモナの私には、歴史を感じる街並みの中に現代的な光景が広がっていることが不思議に感じられ、大変興味深かったです。

いざ、クレモナ・モンドムジカへ ──

3日目は、いよいよ大展示会「モンドムジカ」へ向かいます。チケットを持っていざ入場です。
エントランスになっている建物を抜けると、弦楽器のブースがたくさん並んでいるエリアです。楽器製作メーカーだけでなく、楽器用アクセサリー、製作の材料(木材)、工具などたくさんの企業が出店していました。
PIRASTRO、THOMASTIK-INFELD、BAM、GEWA、RIBONI、Viva La Musica、Despiauなど弦やケース、駒のメーカーですが、皆様にも聴き馴染みがあるのではないでしょうか。

会場はクレモナのあらゆる製作家がブースを出展しておりますので、市内をめぐったとき以上に「OOさんのブース!」の連続です。ちょっと歩くと業界の有名人(製作家)に出会えます。お世話になっている製作家へご挨拶をし、展示会に向けて製作された楽器を拝見しました。
日頃、お店で数多の楽器を扱ってきましたが、時間に限りのある中、店頭に並ぶ楽器を自分で選ぶことはやはり緊張感がありました。

買付品の一部をご紹介

あっというまに、最終日 ──

4日目はモンドムジカのほか、2日目に続いて市内の工房を訪問しました。
著名な鑑定家とお会いしたり、弓の材料であるフェルナンブーコの保管庫を案内してもらったり、貴重なモダンイタリーコレクションを拝見したり……と、クレモナ・製作現場ならではの貴重な体験をさせていただきました。
本当に一つひとつの経験が貴重であり、大変勉強になる出張でした。今回訪問をさせていただきました製作家・関係者の皆様ありがとうございました。

現地で買い付けをした楽器・弓は大阪梅田店を中心にクロサワバイオリン各店へ続々と入荷しております。個性豊かな楽器をぜひお楽しみください。

番外編(写真集)

店舗案内

クロサワバイオリン大阪梅田店

JR大阪駅より徒歩約8分
大阪府大阪市北区梅田1-11-4 大阪駅前第4ビル1F 御堂筋側

Tel. 06-4796-9638
E-mail. umedavn@kurosawagakki.com

営業時間 【平日・土曜】11:00~20:00 【日曜・祝日】11:00~19:00

駐車場
大阪駅前第4ビル地下駐車場
当店にて¥5,000以上お買い上げのお客様には駐車30分無料券をお渡しします。