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コラム

はじめてのバイオリンの選び方 【大阪梅田店】

憧れのバイオリンを始めてみたい!
そんな気持ちから始まる最初の楽器選びには、知っておきたい事がたくさんありますよね。
こちらの記事では、バイオリン購入のための予算の立て方や楽器の価格差の理由、生産国ごとの特徴や、外観の見比べ方、さらに弓やケースの選び方まで、初心者の方が知っておきたいポイントを分かりやすくまとめています。
難しい内容は一旦置いておいて、基礎知識や楽器選びの考え方に焦点を当てた内容となっているので安心してください。
読み終える頃にはきっと、あなたにとっての『初めてのバイオリン』がグッと近づいているはずです!

■ 2025年12月更新

【 目次 】
1:最初のバイオリン、いくらにする?
2:価格が変わると何が変わる?
3:ドイツ、ルーマニア、中国……生産国による音色の違い
4:見た目も大切!バイオリンの外観を見比べよう
5:”なんとなく”で選ばない!自分に合ったバイオリンの見つけ方
6:初心者にもできる弓の選び方
7:楽器を守るケース選びにもこだわろう!
8:初心者のギモン、一気に解決!Q&A

1:最初のバイオリン、いくらにする?

数万円から買える初心者用からイタリア製の数百万円まで、バイオリンの価格は様々。
初めてのバイオリンを探すときの最初のお悩みは「どの価格のバイオリンでスタートするか」やはりこれが一番多いです。
ピンからキリまで価格の幅が広いバイオリンですが、予算帯のイメージを持つことでこの膨大な選択肢に最初の振るいをかけることができます。
参考までに生産国別の価格帯イメージをご覧ください。
これで選びやすさがグンと変わってくるので、ご自身でイメージする欲しい楽器や最適だなと思う楽器、理想の音色がどの価格帯から入手できるかを見てみましょう。

2:10万円と100万円の差って?価格差とその理由

年末年始の某テレビ番組のようにバイオリンは価格の差が取り上げられる事がはしばしば…
ではどんな理由でそんなに値段が変わってくるのでしょうか?
初めてのバイオリンを選ぶ時に覚えておきたい価格差の理由はこの2つです。

①木材のグレード ②製作に携わる職人の技術レベル

もちろん作っている場所や輸送ルート、木材の調達先や歴史的価値の有無や作家の知名度などなど…
様々な要素が絡みますが、分かりやすく大きく価格に関わってくるのはこの2つとなります。
当店の様な弦楽器専門店で取り扱う楽器については、基本的には全て手作業で製作されており、お値段に関わらずきちんとした仕上がりになっておりますが、やはり楽器としてのより良い音色や弾き心地、完成度を追い求めていくとおのずと前述の2つの要素が関連し非常に重要になっていきます。

Gems:¥110,000(税込)
Maestro Genova:¥495,000(税込)
※2025年時点での価格

こちらの写真は当店で取り扱うルーマニアの工房「Gliga(グリガ)」の一番お求めやすいグレードの「Gems」と、最高グレードの「Maestro Genova」のそれぞれの裏板となります。
木材のグレードについては、シーズニング(木材の乾燥年数)、繊維の詰まり方など音響を左右する要素の他、杢(縞の模様)が美しくでている材が使用されている事で、美観的な変化が生まれます。
また職人の技術レベルにおいてもこのGliga工房では楽器のグレードによって製作の棟が分かれており、上位グレード製作の棟に移るには最低でも数年はかかるとされており、価格帯が上がるにつれてより熟練した職人達により高いクオリティで作られております。

3:ドイツ、ルーマニア、中国……生産国による音色の違いはある?

世界各地でバイオリン作りが行われており、各国がそれぞれの歴史的背景を持つことによって、ある程度音色の傾向変わってきます。
細かく言えば、年代や製作者(メーカー)によって違いが出るものの、印象やイメージは国ごとにある程度共通点があるので、主要な国の簡単な特徴を見ていきましょう。

【イタリア】
バイオリンの発祥の地(諸説有)として、有名なストラディバリウスを始め、昔から腕のある製作家が集うバイオリン製作の本場。
くっきりとした音の輪郭と、良く響く明るく華やかな音色が特徴。
【ドイツ】
17世紀初頭にイタリアからバイオリン製作が伝わって以来、優秀な工房が集まる国です。
堅実な作りで発音も良く、芯のある太く豊かな音色が特徴。
【フランス】
いわゆるモダンの時期となる19世紀頃からバイオリン製作が盛んになり、工房製の上質な楽器が多数作られました。
基本的には古い楽器がほとんどになるので、深みのある味わいのある音色のものが多いですが、その中でも明るいものや柔らかく落ち着いた音色のものなど幅があるのが特徴。
【ルーマニア(東欧系)】
広大な土地と安い物価を活かしてコストパフォーマンスが高い楽器が多いです。
メーカーによって柔らかくしっとりしたものから、明るくキリっとしたものまで音色の特徴は様々。
【中国】
実はバイオリンの生産量世界一。とてもお求めやすいものからハイグレード価格幅も広く、大量生産の技術は確かです。
お求めやすい価格の楽器は、豊かさに欠けるものの明るく鳴らしやすい素直な音色が特徴。
【日本】
1880年頃に国内でバイオリン製作が始まって以来、今もなお全国で工房製から個人製作まで、盛んにバイオリン作りが行われています。
伸びやかな音色でバランスの良いものが多く、弾きやすい楽器が多いのが特徴。

実際はメーカー、作り手の考え方や創意工夫によって音色は様々なので、あくまでイメージとしてご参考にして頂ければと思います。
是非ご自身の好きな音色をイメージしながらどの国が近いのか照らし合わせてみてください。

4:見た目も大切!バイオリンの外観を見比べよう

音色と同じくらい見た目も大切。
これからバイオリンを始めた後は、毎回見ることになる相棒となるので、せっかくなら気に入った好きな見た目のものを選びましょう。
外観要素によって音色が変わることはほとんどの場合無いので、ここは完全に好みとなってきます。
ここで色んなバイオリンを見比べて自分の好みがどんなものか考えてみてください。

まずは量産系1のような艶のあるシンプルな仕上げ、癖のなく馴染みやすい見た目です。
また、量産系2のような新品楽器にあえて使用感をつけるアンティーク調なものもあります。
ある程度年数の経ったモダン系になると、本物の経年変化ならではの使用感が出た雰囲気のある見た目になります。暗い色のものも多く、渋いヴィンテージな見た目がお好きな方にはうってつけです。
イタリアンの場合は艶やかで綺麗なきつね色、オレンジ色のものが多く、高級感のある見た目が魅力的。楽器としての製作精度も高いものが多いので形取りの綺麗さにも注目です。
その他、製作モデルなどの形状も含めると本当に多種多様の姿形が存在するので、ぜひ自分が愛着を持てる”顔”の一挺を探してみてください。

5:『なんとなく』で選ばない!自分に合ったバイオリンの見つけ方

一番大事な部分となる、実際の見つけ方です!
早速弦楽器屋さんに飛んでいって、一つ目のお店ですぐに自分の心に衝撃が走るような鮮烈な出会いがあれば理想ですが、そんな事ばかりでは無いのが楽器選びの難しい所。
お店巡りをしている内に沼にハマって分からなくなってしまう…なんてことも良くあります。
沼にハマってしまって結局『なんとなく』で選んでしまわない為にも、ここで改めてバイオリンを選ぶ時の流れを整理してみましょう。

①どの価格帯にどんな楽器があるか知る
②予算を決める
③どんなバイオリンが欲しいかイメージする
④お店で実際に見て、触って、聞いて、確かめる
⑤自分の欲しいバイオリンのイメージと照らし合わせて絞り込む


ここまで読んで頂いた皆様であればこの5つのステップの内、③までは既にクリアしているのでは無いでしょうか?もう何となくご自身の欲しいバイオリンのイメージがぼんやりと浮かんでいるはずだと思います。
頭の中に理想のバイオリン像がでてきたら、いよいよ勇気をもってお店に行ってみましょう!
最初は緊張するかもしれませんが、初めてのバイオリンを買いたい事を伝えれば店員さんもきっと親身に相談に乗ってくれるはずなので安心してください。
あとは④と⑤の工程に入るわけですが、ここで更に深堀して忘れないでおきたい重要な事3つご紹介します。

【自分で楽器を持って、自分で音を出してみる】
「初心者の自分では判断できない…」「誰かに弾いて選んでもらおう」そう思いたくもなりますが、購入したバイオリンと長く連れ添うのは他の誰でもなく自分自身です。
楽器の厚さやボディのサイズ感、ネックの太さなど、自分とのフィット感やフィーリングなどの相性、何となく合う、合わないが実は結構わかります。慣れてなくても大丈夫なので必ず一度は自分で楽器を持って、軽く音を出してみましょう。
前述の①~③をクリアしていればバイオリン選びの準備はちゃんと出来ているので、自信を持ってチャレンジしてみてください!

【自分が上手になったらどこで(誰と)どんな曲を弾きたいか考える】
意外に忘れがちな重要なこの部分。
レッスン、オーケストラ、小編成アンサンブル、バンドで弾く場合。ジャンルで言うとクラシック、ジャズ、ポップス、ロックを演奏する場合など…
演奏するシチュエーションによっておすすめのバイオリンがガラッと変わってきます。
店員さんのおすすめの仕方も変わると思います。
③の「どんなバイオリンが欲しいかイメージする」にも繋がってきますが、ぜひ5年後、10年後に自分がバイオリンを演奏する姿を想像してみて下さい。

【アフターメンテナンス等でも通いやすい信頼できるお店で購入する】
せっかく購入したバイオリンを長く使い続ける為にも、定期的なメンテナンス(点検・健康診断や弓の毛替え、弦交換)は必須です。購入後もそのお店とは長いお付き合いになると思います。
なので立地や、お店の雰囲気、話しやすい店員さんがいるかどうか等を考慮して、ぜひ今後継続的に通いやすい信頼できるお店で購入しましょう。

全ての事を考えながら選んでいくのは難しいかもしれませんが、ポイントをしっかり押さえればきっと理想の一挺に出会えるはずです。
焦らずゆっくりで良いので店員さんや先生にも相談しながらお気に入りのバイオリンを選んでみましょう。

6:初心者にもできるバイオリン弓の選び方

結論から言うと初心者の方にとっての弓選びはかなり難しいです。
自分にとって弾きやすいか、重心が合っているかの相性もみる必要がある為、バイオリン経験が無い方にはどうしても良し悪しが判断しにくいです。
ただ弓選びもここを押さえれば大丈夫!というポイントがいくつかあるので、特に覚えておいて頂きたい事をご紹介します。

【素材の違い】
・ブラジルウッド:お求めやすい弓に多い材、コストパフォーマンスに優れるがコシが弱いことも
・ペルナンブコ:古くから弦楽器の弓に最適とされるしなやかな強い材
・イペ:ペルナンブコの輸出規制を受けて近年使われる事が多くなった代替え材
・カーボン:丈夫で耐久性に優れる最新材、木製と比べてシャープな音色

【重量】
・バイオリン弓の平均:約60g
⇒ 平均よりも重め:しっかりとした音を出しやすい
⇒平均よりも軽め:右手が疲れにくい

【予算感・悩んだとき】
・予算の範囲内で何本か弾き比べてみる
・店員さんや先生のおすすめに頼る

実際、弓は楽器本体に比べて価格幅も小さく、お買い替えも比較的しやすいので、最初はお求めやすい弓を購入する方も多いです。
悩んだり困ったら店員さんや先生に頼りつつ、最適な弓を選びましょう!

7:楽器を守るケース選びにもこだわろう

気に入ったバイオリンが見つかったなら、それを守ってくれるケースもせっかくならこだわりたい!
それぞれの特徴やメリット、デメリットに注目をして早速比較してみましょう。

【セミハードケース】
<よく使われる素材>
強化発泡材、木

<メリット>
・比較的安価(木製は高価)
・軽いものが多い
・布地で傷がつきにくい
・ポケットが付いている場合、収納面が優秀
・ワッペンなどを縫い付けられる

<デメリット>
・ハードに比べて外圧や衝撃に弱い場合がある
・温度や湿度の遮断性能が低い
・安価の場合内装や装備が簡素

【ハードケース】
<よく使われる素材>
カーボン(CFRP)、グラスファイバー(GFRP)、ポリカーボネイト、ABS樹脂

<メリット>
・外圧や衝撃に強い
・温度や湿度の遮断性能が高い(気密性)
・ステッカーが張れる

<デメリット>
・比較的高価
・塗装仕様がほとんどの為傷が付く

特に気を付けたいのは、ニスが柔らかく暑さに弱い新作のイタリアンバイオリンなどを選ぶ場合です。
そういった楽器を選ぶ際は、気密性や断熱性に優れるハードケースの方がおすすめです。
また飛行機の機内持ち込みや、ハードな使い方をする場合などはお勧めがケースが変化して参りますが、例えばレッスンに片道20分程度で電車や徒歩で向かう程度であれば、専門店で販売しているケースであれば問題ないので、好きな形、デザインのものを選びましょう!
※ちなみにケースを背負って自転車に乗るのは、楽器が細かく揺れるのであまりおすすめできません……。

8:初心者のギモン、一気に解決!Q&A

ここからはQ&A方式で良くある質問やお悩みを一気にお答えしていきます!

Q:バイオリンのメンテナンスはどれくらい必要?維持費はどれくらいかかる?
A:基本的には半年から一年に一回程度の「弦交換」「弓の毛替え」「点検・健康診断」で問題ないです。
これがそのまま維持費になってきますが、一般的な種類の弦や毛に交換する際、当店の場合の費用が全て合わせておおよそ15,000~20,000円程度です。
(大阪梅田店では点検・健康診断は無料で承っています)

Q:どんな保管環境が適切?
A:直射日光の当たらない、室温が15℃~20℃前後、湿度は50%前後が推奨です。

Q:中古と新品どちらが良い?
A:きちんと調整がされている専門店で購入する場合、多少の使用感が気にならなければ、新品より安価な中古がおすすめです。当店でも中古は人気なので気に入った個体があればお早めに…

Q:オンライン購入はダメですか?
A:中古と同様にきちんと調整がされている専門店から購入する場合はダメではないです。
しかしながら、重さやネックの細さなどのフィット感は現物でしか判断が出来ないので、現実的な距離に弦楽器屋さんがあるのであればぜひ一度足を運んでみましょう。


Q:必需品、アクセサリー関連はどんなものが必要?
A:主となるものは「肩当て」「松脂」「お手入れ用のクロス」となります。
最初からひとしきり揃えておきたい場合は、練習用に音を小さくする「消音機」や「チューナー」もあると良いでしょう。

Q:独学での上達は難しい?
A:難しくはありませんが……
近年は入門用の教本や動画投稿サイトなどでも自分で勉強できるコンテンツがかなり豊富にあるので、順を追って根気強く練習すれば独学でも大丈夫です。
ただバイオリンは他の楽器に比べて、フォームや姿勢が非常に重要なので。レッスンに通う方が間違いなく上達は早いです。独学でバイオリンを練習するのも大きなエネルギー(≒やる気/根気)が必要だと思います。このエネルギーを月1回でも良いのでレッスンに使って頂くことで上達の進捗は大きく変わってくると思います。また課題や発表会があることで目標設定ができて、高いモチベーション維持に繋がるメリットもございます。

Q:家で音を出せないからサイレントバイオリンを使いたいけどデメリットはある?
A:限界まで音が小さい方が良い場合や、ゆくゆくはアンプなどで音を出したい場合などはおすすめです。
しかしながら今後クラシック音楽を主に練習したい!という場合は、上達の妨げになったりすることもあるので、アコースティックバイオリン(普通の木製のバイオリン)の方を強くおすすめします。
実はアコースティックバイオリンでも消音機(ミュート)を使用すればかなり音量を小さくできます。
<補足>
・サイレントバイオリン ⇒ 自宅練習を目的としたYAMAHAが展開するエレキバイオリンの通称
・エレキバイオリン ⇒ ピックアップを搭載した電子バイオリンを包括した通称

Q:バンドで演奏したい場合は?
こちらは素直にエレキバイオリンがおすすめです。
アコースティックにマイクを付けてもハウリング(音が共鳴して異音がする事)が起こったりするので、エレキの方が圧倒的に使い勝手が良くなります。

クロサワバイオリンでは、これから始めてバイオリンをご購入される方に、保管のコツなど欲しい情報がギュッと詰まった「メンテナンスガイドブック」を無料でお渡ししています!

最後に

いかがでしたでしょうか。
初めてのバイオリン選びは、分からない事も多くて不安に感じる方も多いですが、こちらの記事でその不安が少しでも解消できましたら幸いです。

沢山の情報や、選ぶ際のポイントが出てきましたが、大切なのは完璧な一挺を探す事ではなく、ご自身が自然と手に取りたくなる『愛着が持てるお気に入りのバイオリン』に出会う事です。
バイオリンは、弾き込めば弾き込むほどに音色が育ち、持ち主とともに成長していきます。
だからこそ、最初の一挺を選ぶ時間はとても大切で、きっと思い出に残る良い経験になるはずです。

もし悩むことがあれば、ぜひお近くのクロサワバイオリンへお気軽にご相談ください。
これから音楽を始めるみなさんが、安心してお気に入りのバイオリンと出会えるよう、丁寧にお手伝いさせていただきます。

あなたのバイオリンのスタートが、素敵なものになりますように!

クロサワバイオリン大阪梅田店

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